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検診内容・流れがん検診のメリット・デメリット

がん検診のメリット・デメリット

がん検診のメリット

 がん検診の最大のメリットは、早期発見、早期治療による救命の効果です。症状があって外来を受診した場合には、がん検診と比べ、進行したがんが多く見つかります。一方、がん検診は症状のない健康な人を対象にしていることから、早期がんが多く発見されます。早期がんはそのほとんどが治り、しかも軽い治療ですみます。一方、進行がんは、臓器によって程度が違いますが、治すことができない場合が多くなります。 また、がん検診によってがんが早期に見つかるばかりではなく、いわゆる前がん病変(将来がんに変化する可能性がある病変)が発見されることがあります。子宮頸がんにおける異型上皮、大腸がんにおける大腸腺腫(ポリープ)等がその例です。このような前がん病変は、それを治療することでがんになることを防ぐことができます。 がん検診を受けて「異常なし」の判定が下ったとしましょう。多くの人々は「がんがない」ことで安心します。これもがん検診のメリットということができます。

がん検診のデメリット

 がん検診のデメリットとは、検診の欠点や検診を受けることによる不利益のことです。がん検診を受ける際には、次のようなデメリットもあるということを十分に理解しておいてください。

・がん検診でがんが100%見つかるわけではないこと
 どのように優れた検査でも、100%の精度ではありません。がんが発生した時点から、一定の大きさになるまで検査で発見することはできません。その可能性は、がんの種類や検査の精度によって異なります。さらに、がんそのものが見つけにくい形であったり、見つけにくい場所に出たりする場合があります。このため、ある程度の見逃しは、どのような検診であっても起こってしまいます。

・結果的に不必要な治療や検査を招く可能性があること
 検診では、本来生命状態に影響しない、微小でその後も進行がんにはならないがんを見つける場合があります。これを「過剰診断」といいます。今のところ、このようながんと普通のがんを区別することはできません。そこで早期に治療することを重点に考えた場合、このようながんにも手術などの治療を行わざるをえないことになります。
次に、がん検診によってがんの疑いがあると判定され、精密検査を行ってもがんがない場合も多くあります。これを検診での「偽陽性」といいます。この「偽陽性」はある程度までは避けようがなく、精密検査を行ってはじめてそれとわかるもので、精密検査をしないわけにはいきません。
早期発見、早期治療のためにはある程度やむをえないことですが、結果的にみれば不必要な治療や検査が行われることがあります。

・検査に伴う偶発症の問題
 偶発症の具体例としては、胃の内視鏡検査で出血や穿孔(せんこう:胃壁に穴を開けること)を起こすものがあります。極めてまれですが、死亡に至ることがあります。専門の学会の報告では、胃の検査では約1万件に1件(0.01%)、大腸の検査は約1,500件に1件(0.07%)となっています。またX線検査、CT検査等による放射線被曝によりがんの誘発や遺伝的影響があることも、極めて低い確率ではありますが、否定することはできません。例示した内視鏡検査では、検査を行う医師の技術向上や機器の改善が進められ、また、放射線被曝についても機器の開発、改善によってその影響を最小限に抑えられるようになっています。ただ、極めて低い可能性ですが、こうした偶発症が起こる可能性も理解しておいてください。

・心理的影響
 がん検診を受ける場合、多かれ少なかれ心理的な負担があります。検診によって「がんがありそう(異常あり)」とされた場合、精密検査を受診しなくてはなりません。その場合、悪性か良性か、検査の結果が出るまでの間の心理的な負担は重いものです。しかし、がん検診のかけがえのない利点は、がんの早期発見と早期治療による救命ができることです。このメリットを生かすためには、医師や看護師からの十分な説明を受け、がん検診のメリットだけではなく、デメリットついても併せて知っておくことが必要です。

(参考)国立がん研究センター がん情報サービス 「がん検診について」

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